現実

昨日彼女に子供さんの事で進展があったのかどうか、良い方向へ話が少しでも進んでいるのかラインで聞いてみた。


「良くなってないんだ」


彼女は一言そう言った。
少し疲れていた顔も連絡がなかなか出来ない事も、そして恋愛気分なんか無くなっている事もこの一言で全て分かってしまった。

彼女を取り巻く現実は僕が想像していたよりももっと深刻な事態になっているのかもしれない。そう思った。

二人の恋愛がどうなるのかなんて事、今はどうでも良い事だと思い、とても彼女の事が心配になった。

だからなのか、彼女は僕との関係を終わりにするような言葉を言わない。何度も恋愛気分で彼女にヤキモチを焼いた言葉を言ったり、淋しいと呟いても、なら別れましょうとは言わなかった。

今はとにかく彼女の支えになりたい。

その為に出来ることはじっと待つことだ。

気を取り直して

過去のラインを読み直していた。

彼女と楽しく会話出来ていたラインの最後が7月6日。その日に子供さんの事で悩んでいる話を打ち明けられ、彼女とのラインを控えるようになった。

まだ13日しか経ってない。

ブログでは7月15日に待ってほしいと言われ2日目と書いたが、最初に彼女から悩みを告白されたのが6日で、今日が19日なので連絡が殆どとれなくなって約2週間になる。

子供さんの問題がそんなに簡単に解決できるとは思えない。
 詳細は割愛するが、かなり前から前兆はあったし、その時は二人で悩み彼女を支えてあげることができた。


余裕が無い発言は今回が初めてではなかった。

前回はその発言後一週間程、いやもう少し早い段階で彼女は戻ってきてくれたが、今回ばかりはそうはいかないのも何となく理解できる。

今回は全然彼女からの弱音や、癒やして欲しいなどの声が掛からない。もっと辛く苦しいはずなのに一切頼りにされない事は、自分の存在自体を否定されているような気持ちになった。

恋人とはおこがましい、だからといってセフレの様に割り切れてもいない中途半端な関係だが、このただ待っている時間は何なんだろうなと漠然と思う。

何度も頭の中で彼女が自然消滅を望んでいるが、僕がなかなか諦めないので困っているんだよ。と悪い妄想の自分が問いかけてくる。

これは僕から振るまで終わることの無いエンドレス待ち時間なのか。等ネガティブな事ばかり考えてしまう時、読み返す彼女のライン。
 


「落ち着くまでもう少し待っててね」


自然消滅を願うならこの言葉は言わないと思う。

まだ二週間だ。
これから続く長い付き合いの中のたった二週間。


付き合いは続くと信じているけど、
再び彼女が戻ってきてくれた時に
きっと僕は一つ捨てて彼女と
向き合う事になる。

不倫は不倫だけど、彼女にとって僕はもう彼氏なんて存在ではないという事をしっかり頭に叩き込んで、割り切った付き合いをするしかないという事。


それでもいい、相手を幸せにする形は一つじゃない。

暑いね

昨日彼女へ送ったラインの返事が朝届いた

「ありがと」

どうせ又どこかの企業のラインだろうと、思って見てみたら彼女からで不意を付かれた。

こういったパターンの時、付き合い始めの頃は朝早い時間から返信してくれていたけれど、最近は大体既読スルーされていたので正直とても嬉しかった。朝から今日は良いことあったなぁと会社へ向かう足も思わず軽くなる。天気の良さも相まって僕の心は今日の空よりも快晴だ。

僕は彼女に「♡」で返した。


これは彼女がたまに返してくるメッセージの一つでハートは胸がキュンとなったら付けるらしい。キュンキュンしたときは、2つ、3つと数が増える。だから僕は一つハートで返信した。

言葉は難しい。 

素直に伝えてはいけないタイミングの時の回避策でしかないが、ハートの真意
は意味を名付けた彼女が知っているのだから、他のメッセージは不要だし、僕が余計な言葉を発する事もなく、ある意味都合の良い返事だ。

恐らく既読スルーする時期なのに、あえて忙しい朝に返事をくれたのは何よりも嬉しかった。

ラインや電話でのやりとりが殆どないなんて、今までの僕と彼女の間では信じられない事だ。沢山ラインしていたのに、一週間に一度、火曜日の夜に一度か二度のラインを交わすだけなんだから。

彼女はラインやメールの類は苦手な方だと話していた。逆に僕は会えない時間が多いからこそ、ラインで互いの気持ちを埋めていこうと思っているタイプなので、普段からも殆ど僕が沢山話し、彼女が相槌を打つ、そういう流れが日常的に繰り返されていたんだ。

彼女にとっても、今僕からのラインが少なくなっていることにほんの僅かな違和感は感じていると勝手に思ってる。ただ、彼女は今それどころじゃないし、僕に対して3回程、今は余裕ないと話してきたんだから、連絡がこなくなって逆に当たり前かと思っているのかもしれない。

信じる者は救われる、僕はこの言葉を真に受けてる。

彼女から何度も信じて欲しいと言われ、徐々に信用出来るようになった頃、子供さんの問題が起こって彼女の心に余裕が無くなり、そして僕との距離を取るようになった。

もう、信じてる。

完全に疑いが晴れることはない。疑いというよりは不安が悪い幻想を作り出してるんだ。
悪い予想なんて、7割以上は当たらないなんて統計もあるみたいだから僕の想像している最悪の事態の7割は外れるはずだ。

ただ、もし彼女が別れを選択してきたのなら、それも甘んじて受け入れてあげようと思ってる。僕の希望は彼女の幸福だ。
彼女とその子供さん達が毎日幸せに暮らせる事が一番だ。

なら、自分の家族は不倫で不幸になってもいいのか?という矛盾が生じていると他の人から見れば思うかもしれない。


そう、矛盾している。


それを受け入れられない人はそもそも不倫なんかしないんだと思う。
例え最初はそのつもりが無くても、み不倫を継続していくって事は矛盾してる状況を許容していくしかない。


話を戻すが、彼女が求めていたのは
簡単な恋愛だ。

つまりドロドロとした不倫なんかじゃなく、
もっと軽い気分で遊んで欲しいって事だったんじゃないかと思う。


そう考えると筋が通る話が多い。

惚れた弱みなのか、彼女がどんな目的であろうが構わないと思うようになった。


彼女と会えるならどんな理由でもいい。

一週間ぶりに

休み明けの仕事はなんとなくダルく、重い。
それはきっと前日に妹夫婦の家の庭で行ったBBQで呑んだ酒の量が多かったせいだと、少し反省した。
酒が嫌いじゃない僕はどうも一度酒を飲み始めるとセーブして飲む事が出来ない。流石に倒れるまで飲むわけじゃないが、それでも40を過ぎて酒に弱くなってきた身体には充分過ぎる程のお酒を飲み干す。

そんな火曜日の夕方、彼女が会社へやってきた。彼女の仕事は保険外交員だ。勿論、出会いも自分の会社に定期的に訪問してくれたのがきっかけだ。
最初見た時、それ程印象には残らなかった。背が小さな子で可愛らしい声の子だなって思ったが、可愛い子なんてとても既婚者には見向きもしないだろうと、独身者が黙って見てるわけないだろうと思い、また、そもそも不倫するつもりも無かった自分は気にもとめてはいなかった。

それから数カ月、特に何も無く彼女と社内で定期的に世間話をするに留まっていた。

しかし身内でガンが見つかった事で、病気というものが、近く感じ、今入ってる保険の見直しをしたほうがいいのではないかという気持ちに変わった。
そして一番話をしていた彼女に相談してみることにした。

彼女は一生懸命僕に提案し、説明してくれた。
それが彼女の仕事と言えばそうなんだけど、
それがとても親身になって一緒に考えてくれた。
保険料が余り高くならないように、そして、ある程度充実した内容で、また焦らせることなく何度も細かく調整された提案書を幾度も作ってくれる。

最終的に子供の保険を含め夫婦の保険も彼女の提案を採用し、切り替える事になった。

一番の決め手は彼女のずっと寄り添っていきたいと言う精神だった。決めるまでが仕事じゃなく、入ってくれた家族をずっと見守っていきたいという気持ちが素晴らしいと思った。

そんな姿勢で仕事をしている彼女を尊敬するようになった。

馴れ初めについては又機会があれば記事にしようと思う。


一週間ぶりに彼女を見た、彼女は別の島の机に座っている後輩達と楽しそうに話をしていた。僕は時々そちらに顔をむけたが彼女から目線を合わせてくれる事は殆どなかった。

少し疲れたような顔だった。
やはり子供さんの事で疲労しているんだと直ぐに分かったがそんな顔をしている彼女に何て言葉を掛けて良いのか分からなかった。

結局僕も仕事が入り彼女と面と向かって話せるタイミングも無く今日の彼女の来訪は終了した。

帰宅の途中彼女に久々にラインをした。
疲れてるようだけど身体大丈夫?とのラインの後彼女から「大丈夫だよ」とだけ返事が来た。

何か出来ることがあれば何時でも言ってほしい旨と、夏バテに気を付けてねとラインを返したが既読は付けど返答は無かった。

ラインをすると、途端に不安になった。

彼女から何て言葉が返ってくるんだろうと思うと急に怖くなった。

もう少し待っていて欲しいという彼女の言葉を信じて待ってるけど、頭のどこかでこれは既に別れたがっているのに離れていかないから距離を置かれているだけじゃないのだろうかと、疑心暗鬼に駆られる。

僕の会社では仕事上元気に振る舞っているが家では悩み苦しんでいるんだと自分に言い聞かせる事にした。

会社でみた彼女の笑顔は全て他人に対してだけだったけど、それでも自分は、彼等とは違う特別な人であることに変わりはないんだ、だって待ってくれと言われているんだからと、自分に言い聞かせる。

ラインをやり取りした後はいつもこうだ。

彼女の情報が何も無かった時の方がもっと安心した気持ちの中で彼女を想う日々を送っていたのに、会社の中で遠くに聞こえる彼女の笑った声が、ずっと待っている僕の心をきゅーっと搾られたような苦しい気持ちになった。

僕が彼女を笑顔にしてあげたかったのに。

3連休

3連休の3日目。僕は土曜日仕事に出ていたから実際は2連休になるけど、連休を有意義に使うのが苦手で、昔からどこいこーか、ここ行こーかと模索してる間に終わってしまう。

しかも有意義に過ごしていなかったと罪悪感まで感じたりして、結局連休があまり好きになれない。

それならば用事がある都度会社を休ませてくれた方が100倍有意義に一日を使い切る自信がある。

彼女はこの3連休どんな毎日を送っているんだろうか。息子さんの事で多忙な3日間を送っているのか、家族水入らずでどこか気分転換にドライブやイベントに出掛けているのだろうか。
いずれにしても少しでも辛い気持ちが楽になるような日々を過ごしていて欲しいと願ってる。


そもそもこんな予定じゃなかった。

不倫てこんな恋愛だったっけ?
セックスもなく、また会えるわけじゃなく
じっと信じて待つだけって。
軽い恋愛ごっことセックスがセットで付いて来るみたいな、そういうのを求めていたんじゃないのか自分は、と今の自分に問いかける。

出会った頃の彼女は最初僕を好きになることを警戒していた。
過去の恋愛にトラウマがあって男性自体を信用出来ない事がそうさせているんだと、思っていたし、それならば話だけでも聴いてあげたい。
それが僕と彼女の始まりだった。

下心がまったく無かったと言えば嘘になる。
だけど、最初から彼女に対してそれ程身体の関係を求めていた訳じゃなかった。

嫁とレスがもう5年以上あった上であっても、彼女に対しては何かセックス前提で付き合いたいって言う想いが湧かなかった。
何かその下心が汚いおっさんの発想で、彼女にはそんな汚い心でつきあいたくないと、
40も超えたおっさんかつ既婚者が純な恋愛をしたいって普通の常識で考えたらトンチンカンな話だと思うかもしれないが、至って真面目にそう思った。

そもそもトラウマって気の知れた人に対してでも簡単に言わなくないか?と疑問を持った。
これは僕に対しての期待なのか、それとも、こういう関係性だからこそ話せる間柄になったのか、どちらにしても彼女が抱える悩みを一つだけでも知る事が出来て共有した事がとても嬉しかった。

そこから僕は彼女の専属カウンセラーになりたいと思い、彼女の悩みを熱心に聴くようにした。彼女は元々とても真っ直ぐな性格で、彼女のことを理解するのにはそれ程時間が掛からなかった。と、その時はそう思っていたが、この理解は後から大きく誤っていた事に気づかされる事になる。

男性が信用出来ない彼女が僕に心を開いた理由
は最初、自分が特別な人であったからだと自惚れた。彼女にとって僕という人はきっと今までの男とは違う、何かずっと探していたパズルのピースが合ったような、そういう素晴らしく相性の合う関係性なんだろうと思っていた。

彼女は僕と会う度に心の距離を近づけてきてくれた。さよならするときも「悲しいよ」って淋しそうな顔をするようになった。
きっとその時の彼女は素直にそう思ったんだろう。しかし、彼女の子供さんの事で悩むようになると、途端に僕との詰めていた距離があっという間に遠くなる。

シングルマザーの彼女は母親でもある。
当たり前の事だし、最初から知ってた事だ。

だけど自分への優先順位が急激に下がり、それを直接彼女の口から聴くと何だか複雑な気持ちになった。あれだけ好きだと言っていたのに。
子供さんの事と並行して今の付き合いをしていけばいいだけじゃないの?って、最初はそう思っていた。

だけど、彼女の現実は僕が想像してるよりもきっと遥かに忙しく、厳しいんだ。

全て一人で選択していかなくてはならない。
目の前で自分の子ども達が苦しんでいる時に、恋愛気分なんて起きるわけも無い。一生懸命子ども達と向き合っている彼女に僕は
男にうつつを抜かして子を蔑ろにする女性と比べて、遥かに素晴らしい女性だと思っていた。


二人の恋愛は最初から彼女が主導権を握っている。それが彼女の希望だったし、僕も彼女のやりたいようにさせてあげたかった。

ただ僕の過去の恋愛に彼女主導のつきあい方をした経験が無かった事で、その後余計なことを想い、度々彼女にいらぬ事を口走る様になった。

簡単に言えば日々不安と付き合っていかないとならなかった。
彼女のテンションが高い時は良いけど、悩みを抱えたりすると、すぐに僕との距離が離れた様な態度を取る彼女に僕はいちいち反応し、どうしようと、オロオロばかりしていた。

それって恋愛として成立してるのか?と何度も思った。彼女は「指示通りにしていて」と言うけど、指示通りに動く男ってなんだろうと、いや、反抗的に拒否したい訳じゃなく、僕の気持ちを軽視されているんじゃないだろうかと不安になる。

だけど彼女に対して怒りの感情が出ることは無かった。それはこの不倫という関係性が最大の理由だった。
僕は彼女に何かあろうが無条件で何時でもそばにいてあげられないし、協力して何かをする事もほとんどない。出来ることと言えば彼女が求めてきてくれた時に精一杯の愛で包み込んであげて、少しでも癒やしてあげること位しかないと分かってるから、普通の恋人同士なら当たり前に出来ることの殆どが出来ない以上、そんな怒る事なんておこがましい事なんだと、それは自分でも分かってる、だからこそ全てを受け入れるしか選択肢はない。

彼女は癒やしを求めてる。
簡単な恋愛をしたいと言う。

始めこの簡単な恋愛って言葉がとても引っかかった。純粋に好きで付き合ってるのに、簡単ってなんだよと。ファストフードじゃないんだからって。

だけど今は分かる。

俺は出来もしない、やれもしない事を彼女に求め、これが不倫なのに、普通の恋人同士がするような事を彼女に求めていた。
逆に彼女から求められていたら困ったのは僕の方かもしれないのに。



長くなるのでとりあえずここまで。

信じること

彼女から連絡を待ってほしいって言われて
2日目が終わろうとしてる。

僕は既婚者で彼女はシングルマザー。付き合い始めて3ヶ月程過ぎようとしていた。

このブログは僕の独り言のスペースだ。
待つ間に声を掛けようとするときっと又余計な事を言ってしまうだろう。この付き合いの中でそれは充分に理解できた。自分が想像している以上に寂しがりやであり、また彼女を信用していなかったんだと分かってしまったから。
ラインで余計な事を言わないように、そして、彼女を何時でも身近に感じていられるようにするために、呟いていく。

彼女は今、子供さんの事を精一杯考え、行動をしなくてはならない岐路に立たされている。
そんな中、彼女にしてあげられることは、何もない。僕自身が何かをしてあげたくても、出来ることに制限があるし、また、彼女自身も僕をあてにする事なんてしないだろう。
それならば黙って待つしかない。

そんなただ黙って待つことすら出来ず、甘えた事を呟いては彼女に待ってほしいと制止される。それを幾度も繰り返していた。

好きな人が辛い時に寄り添ってあげられない。
相談もされない。頼りにもされない事が、こんなにも辛いとはと最初は思っていた。
でも、何度も彼女を求めて、待つことを繰り返していると、俺の存在って何なんだろうって疑問になった。 何も出来ない自分なんかが彼女のそばにいるべきじゃないんだろうかって。

でも答えは出なかった。

やっぱり僕は彼女の事が大好きだ。

そしてきっとこの恋愛は愛が深まれば深まるほど終わりに向かっていくんだろうなと、それがある意味当たり前な流れなんだろうなと思った。

彼女のそばに寄り添いたい。
それが今、出来ないのであれば彼女の隣の席は僕じゃなく頼もしい別の男に譲らなくてはならないんだと、この待つだけの日常がそう言っている気がした。 

それなら、悪い男になり、彼女を虜にして、決して離れないようにしてあげようか。

彼女にはリスクしかないこの恋愛を何故
継続してくれるのか。

彼女の為に今出来ることには、僕が元気でいることだ。